プラスチックの生きもの

2011.03.05
"おゆまる"という、お湯に浸けると柔らかくなるプラスチック(ポリエチレンだそうです)で海の生き物を作ってみました。プラスチックの質感を持つ種類は限られ、さらに形を作るのが困難なものが多いので、あまりリアルにできるものではありませんが、雰囲気重視ということで... ちなみに、ポリエチレンは接着や塗装が難しいので、基本的には粘土細工や飴細工のような一体成形モノとなりました。
また、作ったもののうちのいくつかをランプにしてみました。
[旗口クラゲ系]
ミズクラゲに代表されるクラゲです。口腕を作るだけでそれらしく見えます。ただ胃腔や生殖腺、触手の表現は無理でした。無色透明のはミズクラゲらしくなりますが、他の色でもクラゲには見えます(^^;;)。

携帯ストラップにしてみました。

[根口クラゲ系]
カラージェリー(ブルージェリー)やタコクラゲの仲間です。どうやって作ろうかと試行錯誤しましたが、なんとかそれらしく見えますでしょうか?
カラージェリーにしては口腕の表面が滑らか過ぎますが、これ以上いじると口腕の並びが乱れそうなのであきらめました。また、付属器もないのでタコクラゲにもなっていません。まぁ根口クラゲ系に見えればいいかな、と。

[ヒドロ虫クラゲ系]
ヒドロ虫のクラゲは"おゆまる"の質感が一番活かせそうなのですが、細長い触手がネックです。そこで長い触手が4本のカラカサクラゲに挑戦しました(写真左)。触手は、お湯に浸けて細く伸ばしたプラスチックを、半田ゴテを傘の縁と触手の先端に近づけて溶着しました。しかし細かい作業で参りました。それに触手は静電気のせいか絡まりやすく、ちょっと引っ張ると切れてしまいそうで、あまり実用的ではなさそうです。
次に思い付いたのが写真右のヤジロベエクラゲですが、マニアック過ぎますかねぇ。触手はやはり溶着しています。

[ウリクラゲ]
櫛板の表現だけでクシクラゲ類に見せている、という造形的には怒られそうな代物ですが、実際こういう形に見えるので仕方ありません(開き直り)。

[ホヤの仲間]
ホヤにも半透明な体を持つ種類がいます。何種類か作ってみました。
(写真左から)
- ユウレイボヤです。何となくそれらしく見えます。内臓もうまく入りました。
- 最近人気?のオオグチボヤを作ってみましたが... う〜ん、なんだか微妙...
- 自由形(^^;;)のホヤです。特にモデルはありません。時間をかけた割には、えらくやっつけ仕事のように見えます(悲)。
- サルパのつもり... これを見て、サルパと分かる人がいったい何人いるのか、という感じです(がっくり)。おまけに体節?が螺旋状になっている(!)という壮大なウソがあります。
 ユウレイボヤ
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 オオグチボヤ
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 ホヤsp.
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 サルパsp.
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[その他]
なかなか題材を選ぶのが難しいところですが…
- (写真左から)ちょっと質感が違いますが、イソギンチャクの仲間です。ただ、触手の数も少ないし、触手部分と体部分の境目が表現できませんでした。
- クリオネです。これは形はうまく出来た感じです。翼足は一体に作り出すのが難しいので後付けにせざるを得ませんでしたが、後付けしようとお湯に浸けると歪んでしまい、かといって柔らかくしないと後で外れてしまうため、なかなかうまくいきませんでした。また、本当は胴体上部にも内臓?があるのですが、そこまで出来ていません。
- ヤコウチュウ。顕微鏡写真では円盤状に見えるのですが、なんと球状であったことを知ってしまいました... しかしそうすると、膨らんだハート形にも見える形はどういう構造になっているのか? ともかくWeb上の写真を漁って、想像も交えて作ってみました。が、触手を表現したら、「透明なリンゴ」と言われても仕方なくなってしまいました(がっくり)。
- イカの仲間(写真左)。全体としては充分イカに見えると思います。あえて言えばジンドウイカ? 目玉(後から埋め込み)以外は一体成形です。後ろ側のイカはラメ入り・透明のおゆまるです。足は一応10本ありますが、触腕を作ったら(10本のうち2本を引き延ばす)、他の足にも影響が出てあまり形良くはなりませんでした。
- アオリイカとヤリイカ(写真右)。調子に乗って作ってみましたが、大きなヒレが形良く出来ませんでした。アオリイカは足を失敗したので(9本になっちゃった)、触腕は引っ込んだ状態です。
 ジンドウイカ
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 アオリイカ(下)、ヤリイカ(上)
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なお、ブログの2011年1-3月にも掲載しているので、そちらもご参照下さい。
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